相続で苦労する前に…
「相続」には魔物が棲んでいます。いつも理性的な家族でも狂ってしまいます。それは普段とは違いお金にからんだ本音が出てくるからです。普段仲よくしているからこそ相続での争いはひどいものになります。
●兄弟の相続
それぞれ社会人になり家をでた兄弟姉妹。普段は大きな利害関係がないのが普通です。だから仲良くしてられます。世間話や思い出話そして子供や家族の話と、楽しい話だけしていればいいのですから。
しかし親が亡くなると突然に「相続」の話をしないといけません。それは生々しい財産の話です。戸惑いながらも、本音と建前がぶつかります。相続での話し合いになると心の奥にしまっておいた言葉がふとでてしまいます。
「お兄ちゃんは大学いかせてもらったでしょ!!」
「お前こそマイホームを買った時にあんなに援助してもらっただろう!!」
売り言葉に買い言葉。これで以前の仲良し兄弟に戻れなくなります。
まあずっと昔、幼い頃には、お菓子の取り合いをして育ったのですから仕方がないのですが。
「お兄ちゃんのケーキのほうが大きい!!」
●妻と嫁の相続
子がいなくて、夫が亡くなると法定相続人は配偶者と夫の兄弟です。夫婦で苦労してローンを返済したマイホームを相続登記により自分名義にするために、縁も遠くなった夫の兄弟に、頭を下げて、印鑑証明と実印をお願いしなくてはいけません。それでも苦労してでもハンコをもらえればいいのですが。しかし何でそんな苦労をしないといけないのでしょうか。
妻と嫁の相続、つまり女の相続は理性的な工夫が必要です。
「うちの家に限って…」という親からの切ない希望の言葉はそれほどあてにならない言葉です。相続争いはどの家にも起こりうることです。相続で苦労する前に勉強しましょう。
相続についてすこし突っ込んだところまで解説してみました。法律や判例などを織り込んで、また実際の相続シーンも織り込んで、深く納得できるようにしました。参考にしていただければ幸せです。
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