借金の遺産分割

借金は法定相続分により相続人により分けられる。

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相続人は借金等の債務の遺産分割はできるか

相続債務の負担について法定相続分と割合での遺産分割協議をしても、相続人の相互間では有効ですが、それを債権者に主張できません。法定相続分です。

死亡した人に借金等の債務があった場合には、遺産分割協議が成立していなくても、その相続人はその残された債務については法定相続分に従って分割された額を負担することになります。

妻と二人を残してなくなった夫が、1000万円の債務を残していたのなら、妻は500万円、長男次男がそれぞれ250万円を負担することになります。

つまり仮にこの相続人の間で、「すべて長男が引き継ぐ」といったように、相続人の1人がすべての債務を引き受けるというように、その債務を負担することについて法定相続分とは違う内容の遺産分割協議が成立したとしても、それは相続人の相互の間では有効ですが、それを債権者に主張することはできません。
 
相続人間が任意に債務負担の割合を決めることができるのならば、返済能力の全く無い誰かに全てを引き継がせてしまうこともあるでしょう。そうすれば債権者はすべてが回収不能になる可能性があります。そうすると債権者にとって大変に不利な結果となってしまいます。

■相続人数人ある場合において,相続財産中に金銭その他の可分債権あるときは,その債権は法律上当然分割され各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するものと解すべきである。
(最高裁判決昭和29年4月8日)



しかし逆に債権者側が、債務の引き受け割合を決めることはできません。1000万円について「すべて長男が引き継げ」ということはできないのです。妻からは500万円、子からはそれぞれ250万円づつを請求することしかできません。法的には子の250万円を妻に請求することはできないのです。

■債権者は連帯債務者を相続した数人の相続人の各自に対し当然に全部の履行を請求する権利を有するものではない。(大審院判決昭和16年5月6日)



ただし債権者との話し合いで誰が引き継ぐのかを決めることはできます。もしも1000万円全額を長男が引き継ぐのを相続人間で合意し、債権者も納得すれば可能です。これを「免責的債務引受」といいます。
 
債務引受とはある人の債務を他の人が引き受けることです。ここでは妻の負担すべき500万円と次男の負担すべき500万円を長男が引き受けるということです。
 
以下はすこし難しくなりますが大切なところです。

それは「免責的(めんせきてき)債務引受」なのか「重畳的(ちょうじょう)債務引受(あるいは併存的債務引受)」なのかです。



なお免責的債務引受だったとしても、それとは別に、妻や次男が連帯保証人になってしまえば、それは重畳的債務引受と同じです。

誰かが全てを引き継ぐのであれば「免責的債務引受」であって「連帯保証なし」が原則です。

債務の方が財産より多いのであれば、相続放棄や限定承認を検討しなくてはいけません。

■被相続人が死亡時に負担していた義務は、財産上の関係に属するものである以上相続人はすべてこれを承継する。
(大審院判決大正10年10月20日)

■罰金刑は受刑者の相続人に対しても執行することができる。
(大審院判決明治45年5月14日)



未払いの税金や罰金までも相続されます。なかなか厳しいものです。
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