戸籍法の定めるところにより届け出なければ
配偶者は「法定相続人」です。ではこの「配偶者」とは誰でしょうか。
配偶者とは婚姻関係にある夫婦の一方のことです。夫にとっては妻、妻にとっては夫をさします。
婚姻は「戸籍法の定めるところにより届け出」なければ効力を生じないのです。つまり婚姻届が役所に出されてはじめてここでいう「配偶者」になります。
婚姻届を出さないけれど、ずっと夫婦として暮らしてきたいわゆる「事実婚」の夫婦はここでいう配偶者には該当しません。つまり法定相続人ではなく、法定相続分はありません。相続人としての権利がありませんから、遺産分割協議に口を挟む資格すらもありません。
逆に配偶者は婚姻届さえ出ていればたとえ別居中でも相続権があります。家庭内別居中の仮面夫婦でも婚姻届がでていればもちろん配偶者です。
前の配偶者と離婚しないままで新しい配偶者と婚姻届を出さず(前の配偶者がいますから出しても受け付けてもらえません。)に、ずっと事実婚が続いてもだめなのです。
現行法で夫婦別姓を選べないために、結婚式を挙げたものの婚姻届を出さないまま、というのもこの配偶者には当たりません。
なお婚姻届の受付は役所での24時間サービスです。窓口が閉まった後の夜でも早朝でも祝日でも正月でも、役所の夜間受付で、場合によっては警備員さんのような人が受理してくれます。これはこの相続問題のためなのです。
役所の都合で婚姻届を受取らないままで、その配偶者がなくなってしまうと、その人は法定相続人になれなくなってしまいますから。
なお出生届は遅れてもかまいません。出生届がなかろうとも子であれば、たとえ生まれる前の胎児でさえも相続人になれるからです。配偶者はそうはいきません。婚姻届は必須条件なのです。
事実婚の相手が「危ない状態」になりそうならしっかりと考えておくべきです。
もちろん逆に、離婚も同様です。離婚届を出したときに相続人ではなくなりますから、役所としては24時間サービスです。なお離婚した相手との子は相続人ですが、離婚した相手は相続人ではありません。
事実婚の相手から相続財産を受取るには遺言が必要です。遺留分の問題はありますが、遺言により相続財産を譲り受けることができるようになります。
特別縁故者として財産分与を受ける方法もあります。特別縁故者とは「被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者」とありますが当然にこれに含まれることになります。この場合にはで、相当と認めるときは、家庭裁判所の判断では相続財産の全部又は一部を与えることができます。ただし、特別縁故者が財産分与を受けるのは相続人が存在しないときに限られるのです。兄弟とか前の配偶者との子がいれば可能性はありません。
配偶者とは婚姻関係にある夫婦の一方のことです。夫にとっては妻、妻にとっては夫をさします。
(婚姻の届出)
第739条 婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
婚姻は「戸籍法の定めるところにより届け出」なければ効力を生じないのです。つまり婚姻届が役所に出されてはじめてここでいう「配偶者」になります。
婚姻届を出さないけれど、ずっと夫婦として暮らしてきたいわゆる「事実婚」の夫婦はここでいう配偶者には該当しません。つまり法定相続人ではなく、法定相続分はありません。相続人としての権利がありませんから、遺産分割協議に口を挟む資格すらもありません。
逆に配偶者は婚姻届さえ出ていればたとえ別居中でも相続権があります。家庭内別居中の仮面夫婦でも婚姻届がでていればもちろん配偶者です。
前の配偶者と離婚しないままで新しい配偶者と婚姻届を出さず(前の配偶者がいますから出しても受け付けてもらえません。)に、ずっと事実婚が続いてもだめなのです。
現行法で夫婦別姓を選べないために、結婚式を挙げたものの婚姻届を出さないまま、というのもこの配偶者には当たりません。
なお婚姻届の受付は役所での24時間サービスです。窓口が閉まった後の夜でも早朝でも祝日でも正月でも、役所の夜間受付で、場合によっては警備員さんのような人が受理してくれます。これはこの相続問題のためなのです。
役所の都合で婚姻届を受取らないままで、その配偶者がなくなってしまうと、その人は法定相続人になれなくなってしまいますから。
なお出生届は遅れてもかまいません。出生届がなかろうとも子であれば、たとえ生まれる前の胎児でさえも相続人になれるからです。配偶者はそうはいきません。婚姻届は必須条件なのです。
事実婚の相手が「危ない状態」になりそうならしっかりと考えておくべきです。
もちろん逆に、離婚も同様です。離婚届を出したときに相続人ではなくなりますから、役所としては24時間サービスです。なお離婚した相手との子は相続人ですが、離婚した相手は相続人ではありません。
事実婚の相手から相続財産を受取るには遺言が必要です。遺留分の問題はありますが、遺言により相続財産を譲り受けることができるようになります。
特別縁故者として財産分与を受ける方法もあります。特別縁故者とは「被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者」とありますが当然にこれに含まれることになります。この場合にはで、相当と認めるときは、家庭裁判所の判断では相続財産の全部又は一部を与えることができます。ただし、特別縁故者が財産分与を受けるのは相続人が存在しないときに限られるのです。兄弟とか前の配偶者との子がいれば可能性はありません。
(特別縁故者に対する相続財産の分与)
第958条の3 前条の場合(相続人としての権利を主張する者がないとき)はにおいて、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。