遺産分割協議のやり直しは贈与税などの課税も!
遺産分割協議のやり直しは簡単にできるけど…
平成2年9月27日、最高裁は…〈共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部または一部を全員の合意により解除した上、改めて遺産分割協議を成立させることができる〉‥という判決を出しています。
一度は決着した『遺産分割協議』でも、相続人全員の合意があれば、やり直せるわけです。
でも、弁護士や司法書士に確認すると…〈税金の問題があるから税理士さんにも相談してね〜〉‥と、言われます。そして、 税理士に相談すると…〈やり直すと税金かかるよ〜〉‥と言われてしまいます。
贈与?
相続税法の通達に‥‥〈当初の分割により共同相続人に分属した財産を分割のやり直しとして再分割した場合には、その再分割により取得した財産は遺産分割により取得したものとはならない〉‥‥と、書かれています。
『遺産分割協議』のやり直しは、〈税法上の遺産分割ではない〉と、判断されます。遺産分割以外の原因…つまり贈与や譲渡‥とされ、課税されるのです。「遺産分割協議書」と書いてあっても、『贈与』などと読み替えられるわけです。
名義変更?!
父が死亡して、長男がA土地を相続します。そして5年後、長男ではなく、次男がA土地を相続することになりました。母親の面倒をみるのが長男から次男に変わるのか、A土地が高く売れるため次男に売却代金を分けるのか、理由は不明ですが…。
最高裁が認めているのですから、相続人全員が合意すれば、遺産分割はやり直せます。既に長男の名前で登記されているA土地の名義は、書類さえ整えば、次男に直すことができます。しかし、税金問題が残るのです。
贈与税&譲渡税!
A土地の名義変更は、《無償》で行われます。したがって、税務上は贈与とされ、「贈与税」が課税されます。〈既に成立済みの遺産分割協議によって有効に取得した財産の名義を変更する〉という行為は 、《贈与》になるのです。
次男が、長男に《幾らか》を支払ってA土地を相続すると…『不動産売買』となり、「譲渡税」が課税されます。この《幾らか》の金額が、A土地の時価とかけ離れていれば、差額については「贈与税」もかかるでしょう。
民法上や登記上、『遺産分割協議』のやり直しは、容易にできます。しかし、もれなく課税が発生します。錯誤や虚偽により、《最初の遺産分割協議》が無効であると立証できれば、課税を回避できます。立証は、かなり大変でしょうけれど…。
平成2年9月27日、最高裁は…〈共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部または一部を全員の合意により解除した上、改めて遺産分割協議を成立させることができる〉‥という判決を出しています。
一度は決着した『遺産分割協議』でも、相続人全員の合意があれば、やり直せるわけです。
でも、弁護士や司法書士に確認すると…〈税金の問題があるから税理士さんにも相談してね〜〉‥と、言われます。そして、 税理士に相談すると…〈やり直すと税金かかるよ〜〉‥と言われてしまいます。
贈与?
相続税法の通達に‥‥〈当初の分割により共同相続人に分属した財産を分割のやり直しとして再分割した場合には、その再分割により取得した財産は遺産分割により取得したものとはならない〉‥‥と、書かれています。
『遺産分割協議』のやり直しは、〈税法上の遺産分割ではない〉と、判断されます。遺産分割以外の原因…つまり贈与や譲渡‥とされ、課税されるのです。「遺産分割協議書」と書いてあっても、『贈与』などと読み替えられるわけです。
名義変更?!
父が死亡して、長男がA土地を相続します。そして5年後、長男ではなく、次男がA土地を相続することになりました。母親の面倒をみるのが長男から次男に変わるのか、A土地が高く売れるため次男に売却代金を分けるのか、理由は不明ですが…。
最高裁が認めているのですから、相続人全員が合意すれば、遺産分割はやり直せます。既に長男の名前で登記されているA土地の名義は、書類さえ整えば、次男に直すことができます。しかし、税金問題が残るのです。
贈与税&譲渡税!
A土地の名義変更は、《無償》で行われます。したがって、税務上は贈与とされ、「贈与税」が課税されます。〈既に成立済みの遺産分割協議によって有効に取得した財産の名義を変更する〉という行為は 、《贈与》になるのです。
次男が、長男に《幾らか》を支払ってA土地を相続すると…『不動産売買』となり、「譲渡税」が課税されます。この《幾らか》の金額が、A土地の時価とかけ離れていれば、差額については「贈与税」もかかるでしょう。
民法上や登記上、『遺産分割協議』のやり直しは、容易にできます。しかし、もれなく課税が発生します。錯誤や虚偽により、《最初の遺産分割協議》が無効であると立証できれば、課税を回避できます。立証は、かなり大変でしょうけれど…。